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第4回「パッド、スルーホールが予熱される」

更新日:2021年3月28日


第3回までに磁気集中器による加熱原理と周辺影響について説明してきました。磁束がワークを貫くことで磁束を打ち消す方向に渦状電流が流れ、この電流により自己発熱することを活用していることは前述のとおりです。

 第4回は磁気集中器により、ワークへどのように磁束を貫かせているのか、その様子をシミュレーションにより可視化し、磁束が効果的にワークを加熱する様子を説明していきます。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

 上図は磁気集中器先端から出力する磁束のある瞬間の様子を表現しています。磁束は左から右へ向いていますが、別の瞬間でとらえると右から左へ向き、1秒間で交互に100万回繰り返す動作をさせています。磁束が向かう方向としては主に2箇所。1箇所目は垂直に立ったΦ1.5端子です。磁気集中器のギャップ左内側面から端子へ向かい、右内側面へ向かっているイメージです。また、2箇所目はプリント基板のランドとスルーホールになります。上図では磁気集中器の左先端からランド面へ向かっているイメージで、スルーホールの右内側面を貫いて、右先端へ向いています。

 このように磁気集中器の先端から出力された磁束により、端子のみでなく、プリント基板のパッドとスルーホールも予熱できることが特徴です。これによりはんだ投入時になじみやすい環境を準備することができることが、IHのならではの特徴になります。

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